Binaryの今の課題とこれから、SANDBOX2019後書き

まえがき

一般の方にプレイしていただいたフィードバックとかをもとに今Binaryに対して僕が思ってることをつらつら書きます。 ここに書いてることは全く正論でも事実でもないし、なんとなく今思ってることを深く考えずに書いてるだけです。 ブラックな内容、というか愚痴っぽい内容になりそうなので、気分を害されそうな方はここでスキップだ!

そもそもの話

「Binaryってなんで作ろうと思ったんだっけ?」 というのを思い出させるようなコメントを貰ったので思い出してみると

  • 当時仕事でやっていたソーシャルゲームの開発がつまらなさすぎる、のと
  • 元々サーバーやインフラしかさわれない人間なので、モデリングやUnityを第二スキルとして習得したい、というのと、
  • DevilMayCryシリーズ、ないしアクションゲーム全般のスーパープレイ見るのもプレイするのも好きだから、僕も作ってみたかった。

というのが元ネタです。

そこから僕が好きな攻殻機動隊とか映画のマトリックス、コミックの"人形の国"、 あと18禁のエロゲーなんですけど、戯画のBALDR SKYとか、Deus Exシリーズみたいなサイバーパンクフィクションの世界観でキャラから設計した感じになります。 攻殻機動隊に関してはイノセント見てなかったせいでモグリ扱いされたんですけどね…コミックも実は読んでなくて、アニメ版ばっかり見てました。

開発を始めたのがログ見るとプリプロ開始が2017年6月、本開発が2018年8月20日(ってgitのログに書いてあった)ぐらいなので、だいたい2年ぐらいになるんでしょうか。 当時はモデルの作り方もわからなかったし、Unityも知識0でした。 期間中ほとんどキャラ作ってた気がする。

ロックオンの壁

BinaryはDevilMayCryシリーズ、ないし他のアクションゲーでもよくある、"R1"ボタンをホールドでロックオンする形にしているのだけど、 (なんなら操作系まるっとDevilMayCryっぽいのだけど)、これが結構難しいみたい。

TOKYOSANDBOXではロックオンを上手に使えるプレイヤー、ないしDMC経験者等はすごく上手にコンボを決めることができていたのだけど、 そうじゃない人は敵を倒すのがやっとみたいな感じでした。

特徴としてはレバーを倒してしまう、ロックオンを押していない、パターンが多かったです。

いや実はゲーム側に問題があって、非ロックオン時の方向補正が効いてなかったというのがすごく大きかった。 例えばDMCだと、非ロックオン時の挙動として

  • リーチ内に敵がいない場合は現在の向きを維持する
  • リーチ内に敵がいる場合は、近くの敵の向きに自動的に補正される。ただし、スティックを倒している場合はそちらを優先する

というのがあるんですが、わかっていたくせにこれができてなかった。テストプレイだと自分はロックオン押しっぱなしにするから。
これがあるだけでもプレイフィールだいぶ違ったんだろうなーと思うと申し訳ない気持ちになるし、後悔しています。

もっと欲を言うと距離補正もつけたかった。
技のモーションをそのまま再生してしまうと「現在のキャラの距離と敵の距離によっては次の攻撃が当たらない」という現象が発生してしまうので、 「技の予備動作に余分に移動量をつけておいて、敵の距離に応じて予備動作のフレームを任意の量スキップする」ことができると、コンスタントにコンボが決まるような実装にすることができると思っています。

ブリンクの壁

Binaryはサイバーパンク・アクションゲーム、主人公のダリア(Dahlia)はクラッカーで"ある組織”に対して侵入・捜索活動を行うという世界観のゲームです。 電脳世界の話なので、どれだけ人間離れした動きでもアクションゲームとして成立させることができます。 (※だからモーションを考えたり作ったりする作業が一番好き。)

その一つにブリンクとブリンクジェイルという要素があるのですが、雑に説明すると

  • 対象または前方へ無敵状態で高速移動する
  • ブリンクした地点の周辺にいる敵に小さなノックバックを与えて位置を固定する

というものがあります。ブリンクを使えば敵が止まるので確定でコンボが決まるように直前に入れた仕様でもあります。 ブリンクジェイル、これ本当に入れてよかったなぁ…

このブリンクが使えないとBinaryっぽい”卑怯なぐらいの”連撃ができなくなってしまうので、面白さが失われてしまっていました。
いや、そもそもL2/R2とかいうすごく押しにくい(しかもR1はロックオンで押し続けることを要求する)ところに置いてしまっていたので、これも反省点かなぁと思います。
コントローラーの操作は基本的に両手と親指、人差し指だけで構築するべきで、中指での操作は頻繁には使わないような操作に置くべきでした。
親指で押せる範囲に修正しようかなー、と思ってます。

PathFinderの壁

PathFinderはいわゆる侵入要素、あと技のオーバーライドができてキャラビルディングができます。
たとえば空中戦特化にしたり、広範囲攻撃を多くとってドミネーションをたくさん打てるようにしたり、重撃特化で一体づつすばやく片付ける、単純にモーションがかっこいいやつばっかりにする…みたいな"ビルド"ができるような予定をしています。

時間がなかったとはいえここの説明が足りておらず、ほとんどの人が「?」を浮かべてました。

覚える技の図解とかスキルツリーみたいな感じでもう少しグラフィカルに作れれば良いなーと思ってはいます。
あとは侵入要素、リスク&リターンの設計やグラフィクス面でのアップデート、自動生成周りもちゃんとやらねばなりません…

あと元々日本向けではなく海外向けに作ろっかなーとか思っていたせいで決定が✕ボタンなのですが、ほとんどの日本の方は○押してました…
これに関しては事前にもう少し決定ボタンを押すタイミング増やして理解の補助にできないかなーと思ってます。

あと全体的に使っているフォントがデザイン先行で決めたので読みにくいみたいなところは大いにありそう。
mojimo-games契約しているし、フォント変えようかなぁ。

プレイ動画の弊害

正直僕はアクションゲームが苦手な人間です。好きなんですけどね。
格ゲーとかだと絶対勝てないし、FPSでも立ち回り重視です。

とはいえ開発者なのでBinaryに関してはそれなりの動きができるようになってます。
プレイ動画でもそれなりのコンボができていたわけなのですが、
「動画を見て、試遊して、でも操作難しいのでコンボできなくて、失望してしまった」
みたいなパターンが結構あって、どうしたものかなぁと。

もちろんアクションゲームの向き不向きはあるのだけど、 「チュートリアルの情報量が大きすぎてワーキングメモリから落ちて、操作がよくわからなくなった」 みたいなことがおそらく起きていて、市販のゲームって本当によく設計されているなぁと改めて関心してました。

何なら「これオートモードとか無いんですか?」まで言われてしまいました。こんなアクションゲームだし、コンボしたいよね。

みんながスーパープレイできるアクションゲームって何なんだろうなーってあれからずっと考え続けてます。
簡単にしすぎると今度はアクションゲーム得意なプレイヤーが細かく操作できなくなってしまってつまらなくなってしまう。
オートモードがその解決になるなら、オートモード、余裕があったら作ってみたいかもしれません。

これからやること

  • UX改善
  • ビルドの幅を持たせるアクションの追加
  • ドミネーション以外のハッキングモジュールの追加
  • ボスやエネミーの追加

TGSのインディー審査枠、デジゲー博などに応募しようかと考えています。 どちらも審査ありなので出れるかどうかわかりませんが、いずれに出展できなくても11月に体験版出せれば良いなーと思ってます。

これからも楽しく開発できればいいなと思います。